ご挨拶
茶は、平安時代に遣唐使が日本に伝えたと言われています。そして、鎌倉時代、禅僧・栄西が、中国から茶種を持ち帰って栽培を奨励し、茶の粉末を湯の中にいれて攪拌する抹茶法を伝えたことにより、喫茶の習慣が普及し、「茶道」に発展しました。近年、「抹茶」は海外でもブームとなり、今や“MATCHA”は世界共通語になりつつあります。
栄西が著した日本初の茶の専門書『喫茶養生記』には「茶は養生の仙薬なり」とあり、茶の飲用がカラダに良いことは、古くから知られていました。現在では研究が進み、緑茶全般の健康効果、あるいはその機能性成分である茶カテキン等の作用に関する多くの科学的エビデンスが確認されています。一方、「抹茶」に限ると、味や栽培、食文化としての発展はあっても、健康との関連においての研究報告はわずかしかないというのが実情でした。
「抹茶と健康研究会」(第一期)は、このような背景を踏まえ2017年に設立され、3ヶ年にわたる公募研究助成活動を実施、13研究機関による20の研究プロジェクトを支援しました。各研究プロジェクトにより、腸内フローラ、肌、ストレス、筋力、脳機能、毛細血管などに対する抹茶の機能の可能性が明らかとなり、こうした優れた研究成果の一部は公開セミナー等で発信を行いました。これらの成果を上げ、第一期の活動は2021年5月を以て完了しました。
第二期となる2021年6月より3ヶ年においても、公募研究助成活動を行い、5研究機関による研究プロジェクトを支援してきました。また、これまでの活動成果をもとに、2022年12月には国際栄養学会議においてスポンサードシンポジウムを主催して、国内外向けて抹茶の機能 健康効果に関する発信を行ってきました。
2024年6月からの3ヶ年となる第三期は、これまで取り組んできた第一期・第二期の継承と、更なる発展を目指した新たな体制で取り組んで参ります。
「抹茶の健康イメージ向上、抹茶の摂取を通じた健康寿命の延伸やQOL改善へのソリューション提供」を目指して、医学、栄養学、薬学、運動工学等の分野における抹茶の健康効果に関する研究活動をサポートし、抹茶に関する科学的エビデンスの蓄積を進め、さらに公開セミナーや、ここに新たに開設した当ウェブサイト等を通じて、研究成果を広く社会に還元、啓発活動を充実させていきたいと考えております。
何卒ご支援とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
2024年6月
「抹茶と健康研究会」(第三期)関係者一同